自利利他

仏教

自利利他

仏教に『自利利他』という言葉があります。

他人の喜ぶことをすると、それが自分の喜びとなり、自分の幸せになるという教えです。

私も若い時に、この教えを知っていて実践していたのなら、もっと違う人生になっていたのではないかと思う時があります。

私の若い時は、物資があまりない時で、働いて稼いで食べていくことしか考えられない時代でした。

定時の給料と残業代の給料を比較すると、同額に近いくらい残業が多かったのです。

働き方改革、残業時間を減らせと言っている現代からは信じられない話ですよね。

ただそんな時代だから自分のことばかり考えていたので、今のように周囲と争って苦しんだり、引きこもる人などは、あまりいなかったような気がします。

基本、心には余裕がなく、とにかく頑張って働かねば生きていけないという気持ちでした。

ですから、他の人のことを考える余裕などあまりなかったような気がします。

お互いに欲のぶつかり合いになり、自分のことばかり考えていたような気がします。

営業での自利利他

しかし、そういう気持ちから少し心に余裕ができると、私は営業もやっていましたので、

お客様の少し得になることをしようという心が芽生えてきました。

私は手紙を書くことが好きでしたから、こんなことをしてお客様に喜んでいただきましたと、手紙で他のお客様に知らせたのです。

するとお客様も、私にもそんな方法でやって下さいと注文が来るのです。

そしてそのお客様は自分の友達を紹介してくれるのです。

自分が喜んで、その喜びを友達にも教えてあげたいという気持ち。

この紹介制度とは、『自利他利』となり、紹介してもらうことが営業では一番効率の良いやり方であると思うようになり、お客様が紹介してくれるようなやり方を好んでやりました。

そして私はこのやり方で、会社が安定するようになったのです。

まず最初『利他』は人を幸せにする。人が喜ぶことをする。

そうすると自分にも『自利』が巡ってきて自分の喜びとなり、自分の幸せにつながっていくのです。

私は営業という仕事をして、この紹介制度は、まさしく『自利利他」に値する仕事方法であると思っています。

自分が幸せになるための第一歩。

それはまず自分が幸せになろうとするのではなく、自分が幸せになりたいのなら、まず他人を幸せにすること。喜ばせようとすること。

それが巡り巡って自分の喜び・幸せとなって帰ってくるのです。

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